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【日記】流行語生成装置としての「はてなダイアリー」あるいはクネクネ肯定論

■そして、「コンテンツ主義者」「コミュニケーション主義者」というレッテル貼りが開始されるだろう。
■いま起こっていることはたぶんそういうことだ。
ロック少年リハビリ日記

巷で話題のコミュニケーション・コンテンツ議論について。僕はこの2つを分けて考えること自体に懐疑的だ。

コミュニケーションはコンテンツになりうる。ある種の小説や漫画や映画が、登場人物のコミュニケーションをそのままコンテンツとして差し出しているように。例えば、村上春樹作品の主人公の持って回った言い回しとそれに応答するガールフレンドの関係、でなければ何だろな、『北斗の拳』の登場人物の敵対しながら互いを承認しあう関係でもいいや(超適当)。とにかく、読者の目に魅力的に映る関係性というのは、それだけでもコンテンツになる可能性を秘めている(これに関して特に鋭敏な感覚を持っているのが、特定のキャラのカップリングの妄想だけで長大な作品を作り上げてしまえる、腐女子の皆様だろう)。

そういう意味で、今現在コンテンツになりうるコミュニケーションは、2ちゃんねるには存在している。「ワロスwww」「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」でしか表現されえない感情と、その集積であるコミュニケーションはひとつのコンテンツとなりうる。だから「電車男」は商品になったわけで、あの物語的には何のヒネリもない作品の本質は、ギャラリーであるスレ住人たちによる2ch用語を駆使した感情表現の応答にある。結局のところ電車男スレなんて電車男と住人たちの馴れ合いでしかないんだけど、それがコンテンツとして結実することもあるという好例だ。
だから、「はてなにはコンテンツがない」という意見には、僕も同意する部分はあるが、それは「馴れ合ってばかりで中身がない」という意味でなく、「つまらない馴れ合いしかできない」という意味においてだ。問題とされるべきは、クネクネ自体ではなく、クネクネの質なのだ。

2chで使われる言葉が変質してゆくのは、環境によるところが大きい。匿名であるため互いの情報がゼロで、さらにVIPのようなテーマ不在の板では語るべき内容すらない。そんな断絶が前提にある世界では、言語を特殊化していくぐらいしか連帯の契機はない。細分化した島宇宙を横断して共有できる言葉が求められ、それに応じて言葉は変質し新たな島宇宙を生む。
それに対して、はてなダイアリーは流行語を生み出す能力に長けている。はてな内ではキーワードに言及することで繋がれるため、あるキーワードが流行するとそれは爆発的に普及する。古くは「儀礼的無関心」、最近なら「中二病」「サークルクラッシャー」あたりか。それぞれの言葉を中心とした島宇宙が形成され、その内部の議論により言葉はより厳密に定義されていく。
中心は不在のまま言語形式ばかりが奇形化していく2chと、キーワードを中心に凡庸な言葉で議論が重ねられていくはてなダイアリー。この2つのメディアで交わされているコミュニケーションは対照的だが、現時点でコンテンツになれるのは前者のみで、後者ははてなダイアリーとその周辺で影響力を持っているに過ぎない。だが今後、その影響力は拡大していくだろう。

「電車男」で2chの特殊な言語文化が広く認知されたように、はてなダイアリーが一般社会に知られる日が来ないとは限らない。はてな発キーワードの流行語大賞選出。このへんを目標に、はてな村の皆さんにはクネクネクネクネと言葉の練成に精を出してもらいたいものだ。クネクネクネクネクネクネクネ……。

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